「なぜ、福祉のNPOが『謎解き』なのか?」 エンタメこそが社会課題を解決する、3つの科学的理由

「NPO法人ハッピーライドって、なんで『謎解き』をやってるの?」 「福祉や防災の団体なのに、ふざけてばかりじゃない?」
正直、初めて私たちの活動を見た方はそう思うかもしれません。 イベント業界隈では「謎解き屋さん」という見られ方もしていますよねww
でも、断言します。 私たちが「謎解き」というエンターテイメントを使うのは「草莽塾」でマーケティングをしってから学びぬいた歴史があるからなんです。
そこには、マーケティング、脳科学、そして防災心理学に基づいた、緻密な「社会課題解決のロジック」があるからです。今日は、なぜ私たちが「エンタメ」で世界を変えようとしているのか、その裏側を少しだけお話しします。
(マーケティング合宿の様子 メンターの石川さん)

理由1:「無関心」の壁を、エンタメでぶち壊すマーケティングの視点
皆さんは「地域の防災訓練」や「福祉の勉強会」に進んで参加しますか? おそらく、多くの人は「大切なのはわかるけど、面倒くさい」「自分には関係ない」と感じるのではないでしょうか。
実は、社会課題解決の一番の敵は「無関心」です。
「障がい者を知ってほしい」「町づくりに参加してほしい」と叫んでも関心がある人しか集まりません。
そこで私たちは4年の紆余曲折をへて「謎解き」というツールをHOOKにしました。
市場規模数百億円とも言われるこのエンタメを入り口にすることで、「福祉には興味がないけど、謎解きはしたい!」という層(無関心層)を巻き込むことができるのです。
「楽しい!」につられて参加したら(笑)
結果として福祉や防災を学んでいた。
この「入り口のデザイン」こそがハッピーライドの最大の仕掛けです。
※ここで全てが決まるといっても過言ではない


理由2:脳が「最強の学ぶ状態」になる(脳科学の視点)
ハッピーライドのイベントでは、車イス体験やアイマスク体験がミッションに組み込まれています。 普通なら「やらされる」体験も、謎解きの中では「クリアするための手段」に変わります。

「ゴールしたい!」という強い目的意識を持って挑む時、人の脳内ではドーパミンなどの幸福ホルモンが分泌され、自己肯定感が高まります。 脳科学的にも、人はリラックスして楽しんでいる時こそ、最も学習効率が高まり、他者を受け入れやすくなる(自己受容・他者受容)と言われています。

だからこそ、ハッピーライドは「楽しさ」にこだわっえtきました。
「正しいから学ぶ」のではなく「楽しいから夢中になる」。
その没入感の中でこそ、車イスユーザーは「支援される人」から
「共に戦うチームメイト」へと変わるのです。

理由3:60分で「他人」を「幼馴染」に変える(防災の視点)
災害が起きた時、あなたが助けようと思うのは誰ですか? 見知らぬ誰かよりも、「顔を知っている人」「一緒に笑い合った人」ではないでしょうか?
3.11の教訓にもあるように、コミュニティの有無が生死を分けます。
コミュニティの前段にあるのはコミュニケーションであり機会です。
ハッピーライドの謎解きは異年齢交流のチーム戦です。
初対面の人たちが、困難な謎に挑み、協力し、失敗し、そしてゴールする。
この濃密な時間を共有することで、イベントが終わる頃には、まるで「知りあい」だったかのような深い関係性が生まれます。
そして地域を使った謎解きでは
見慣れた町の景色が「宝探しの舞台」という思い出に変わり
すれ違う隣人が「戦友」に変わる。
「あの日、一緒に遊んで楽しかったあなただから、助けたい」
そんな「お互い様」の関係を作ることこそが、究極の防災備蓄になると
ハッピーライドは信じています。
